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Kommonうでわ

ひと粒ひと粒が愛おしい、ビーズの世界。

雑記

ようこそセロー、さよならセロー。

「子どもができたかも」 彼女の表情がさほど嬉しそうでなかったのは、まだ結婚していなかったこと、うんと年下の彼氏との子どもだったこと、その彼氏は定職についていなかったからだった。 そんな曰く付きで我が家にセローがやってきた。 たったの3万円で譲…

知らないうちにクインテット

ブラバンでパーカスだった。 ……わかりやすく翻訳すると、学生時代、吹奏楽部に所属していて打楽器(パーカッション)を担当していた。 50人ほどの部員ともなると、自然と派閥みたいなものができあがる。 基本的には、木管は木管、金管は金管で仲良くやっていた…

「インターネットの接続がありません」

初めてインターネットに触れたのは、Windows95が発売されたころだった。 そのころのインターネットはまだまだ特別なもので、職場でパソコンが普及し始めたものの、インターネット回線につながるのはカイシャでは総務部だけだった。 “ホームページ”なるものを…

ねぇ、ミモザ

ミモザという花のことは良く知らなかった。 けれど、なにか愛を伝える花らしい、というのはなんとなく気付いていた。 思いやり 友情 堅実 プラトニックな愛 愛情 豊かな感受性 優雅 エレガンス 真実の愛 神秘 秘密の恋 気まぐれな恋 秘やかな愛 ねぇ、ミモザ…

たてむすび、よこむすび

「こういうの、たてむすびって言うのよ」 わたしが小学生のとき、担任の先生は間違いを指摘した。 ちゃんと結べているのに、なんで間違いって言われるのかよくわからなかった。 わたしにとっての“ちゃんと”とは、紐がほどけないことだったが、先生は方向にも…

ポッケのどんぐり

野山のある公園とかに行ったらね、 ついドングリを探してしまうよね。 ドングリを見つけたら、 つい拾ってしまうよね。 ドングリを拾ったら、 ついポッケにドングリを入れちゃうよね。 ポッケのドングリ、 飾ることも、 食べることもないんだけど、 何年もお…

桜、咲き乱れる丘で

わたしにとっても桜は特別な花だ。 通った学校は桜が咲き乱れる丘の上にあった。 新入学、新学期を祝うかのごとく、桜たちは競って咲きほこり、やがて咲き乱れる。 桜のトンネルをくぐり、桜の花びらの舞いを浴びながら通った時間、あの季節は輝きを増して鮮…

リズムボックスに付いていけなくて

リズムボックスが仕事場にあった。 むかし、そういう仕事をしていた。 いま思い返すと、あれはローランドのリズムボックスだったかと思う。 waltzとかrockとかbossa novaとか。 sambaとかcha-chaとかboogie-woogieとかmamboとかrumbaとか。 そういうボタンが…

絶滅危惧種

雑木林や広大な造成地が広がるベッドタウンで育ったので、子どもの頃は昆虫採集の楽しみが尽きなかった。 図鑑でアタマに叩き込んだ昆虫の種類と名前。 どの虫も珍しいとは思えないほど自然があふれていた。 ある日、テレビで 「ゼツメツキグシュ、オオムラ…

迷う贅沢

「靴、買ってあげるよ」 誕生日を前に彼は言った。 一緒に選びに行ったお店で見つけた、お気に入りの靴。 だけど問題は、いくつか並んでいる靴の色が、どれもこれもとってもステキなことだった。 選びあぐねているわたしに彼は言った。 「両方買えばいいじゃ…

ストライプとボーダー

ねぇ、 ストライプとボーダー なにが違うんだっけ? 横のしましまがボーダーで 縦のしましまがストライプ? じゃあ、しましまは縦? 横? しまうまは縦も横もあるんだよ

ロックな君はいなかった

バイト先にいた君は、社内で浮きまくってた。 まっ金金なロングヘアが許されていたのは、夢に向かって働きまくる君の姿を叩き上げの社長が認めていたからだった。 ある日、ライブがあるから見に来てよと誘ってくれた君。 先払いでチケットを買い、出番の時間…

水晶が生える

「山に行くと水晶が地面から生えてるんだよ」 幼かったわたしに父は言いました。 「水晶は石だから、草や木みたいに生えてくるわけないよ」 そう言い返したわたしを、父は山に連れて行きました。 小さな花々やキノコは生えてるけれど。 いろんな色の落ち葉や…