リズムボックスに付いていけなくて
リズムボックスが仕事場にあった。
むかし、そういう仕事をしていた。
いま思い返すと、あれはローランドのリズムボックスだったかと思う。
waltzとかrockとかbossa novaとか。
sambaとかcha-chaとかboogie-woogieとかmamboとかrumbaとか。
そういうボタンがあって、スタートとストップスイッチだけが付いているシンプルなもの。
歌に自信があるお客さんはリズムボックスを使いたがるのだけど、たいていテンポが合わずに付いていけなくて。
鍵盤からアクロバティックに手を離し、
謎の5拍子とか7拍子を挟み込む。
それがわたしの仕事だった。
ドンチキツッタカ。