「インターネットの接続がありません」
初めてインターネットに触れたのは、Windows95が発売されたころだった。
そのころのインターネットはまだまだ特別なもので、職場でパソコンが普及し始めたものの、インターネット回線につながるのはカイシャでは総務部だけだった。
“ホームページ”なるものをほかに紹介したくても、総務部に行かないと見れないので、信じられないことにそこで画面を写真に撮ったりしていた。
しかもフィルムで!
やがて、自宅でも電話回線を利用してインターネットをつなげられるようになったんだけど、ものすごくお金がかかるので、“テレホーダイ”が出来てからというもの、夜の11時から夜更かしするのが定番となっていった。
有線だから回線が切れにくいとはいえ、たまに
「インターネットの接続がありません」
などと表示されることもあった。
忌ま忌ましかったのは、しょっちゅう、
「 このプログラムは不正な処理を行った ので強制終了されます」
と表示され作業を中断せざるを得なかったこと。
自分が悪いことしているわけではないのに。
このメッセージが出ると対応するために一晩、二晩の徹夜は当たり前……それがパソコンやインターネットの黎明期だった。
忌ま忌ましいあの怪獣は、クリックするとゲームが出来るそうだ。
それがわかれば、あの怪獣がだんだん可愛く思えてくるのだけれど、
はたして、黎明期に感じた黒い感情も帳消しされていくのだろうか。