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Kommonうでわ

ひと粒ひと粒が愛おしい、ビーズの世界。

「インターネットの接続がありません」

初めてインターネットに触れたのは、Windows95が発売されたころだった。

 

そのころのインターネットはまだまだ特別なもので、職場でパソコンが普及し始めたものの、インターネット回線につながるのはカイシャでは総務部だけだった。

 

“ホームページ”なるものをほかに紹介したくても、総務部に行かないと見れないので、信じられないことにそこで画面を写真に撮ったりしていた。

 

しかもフィルムで!

 

やがて、自宅でも電話回線を利用してインターネットをつなげられるようになったんだけど、ものすごくお金がかかるので、“テレホーダイ”が出来てからというもの、夜の11時から夜更かしするのが定番となっていった。

 

有線だから回線が切れにくいとはいえ、たまに

 

「インターネットの接続がありません」

 

などと表示されることもあった。

 

忌ま忌ましかったのは、しょっちゅう、

 

「 このプログラムは不正な処理を行った ので強制終了されます」

 

と表示され作業を中断せざるを得なかったこと。

自分が悪いことしているわけではないのに。

このメッセージが出ると対応するために一晩、二晩の徹夜は当たり前……それがパソコンやインターネットの黎明期だった。

 

忌ま忌ましいあの怪獣は、クリックするとゲームが出来るそうだ。

それがわかれば、あの怪獣がだんだん可愛く思えてくるのだけれど、

はたして、黎明期に感じた黒い感情も帳消しされていくのだろうか。

 

ねぇ、ミモザ

ミモザという花のことは良く知らなかった。

 

けれど、なにか愛を伝える花らしい、というのはなんとなく気付いていた。

 

思いやり

友情

堅実

プラトニックな愛

愛情

豊かな感受性

優雅

エレガンス

真実の愛

神秘

秘密の恋

気まぐれな恋

 秘やかな愛

 

ねぇ、ミモザ

 

あなたは何を伝えることができるの?

 

わたしは何を伝えたらいいの?

 

 

たてむすび、よこむすび

「こういうの、たてむすびって言うのよ」

 

わたしが小学生のとき、担任の先生は間違いを指摘した。

 

ちゃんと結べているのに、なんで間違いって言われるのかよくわからなかった。

 

わたしにとっての“ちゃんと”とは、紐がほどけないことだったが、先生は方向にも正しさがあると言う。

 

先生は根気強くちょうちょ結びを教えてくれたが、一向にたてむすびが直ることはなかった。

 

自分がパートタイムで左利きであることに気付いたのは、だいぶ経ってからのことだった。

 

正しいちょうちょ結びをするには、先生のお手本をあたまの中で反転させて再現する必要があった。

 

それがわかれば、よこむすびの正しいちょうちょ結びなんて簡単なのだった。

 

 

 

ポッケのどんぐり

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野山のある公園とかに行ったらね、

 

ついドングリを探してしまうよね。

 

ドングリを見つけたら、

 

つい拾ってしまうよね。

 

ドングリを拾ったら、

 

ついポッケにドングリを入れちゃうよね。

 

ポッケのドングリ、

 

飾ることも、

 

食べることもないんだけど、

 

何年もおうちのどこかにあったりするんだよね。

 

 

桜、咲き乱れる丘で

わたしにとっても桜は特別な花だ。

 

通った学校は桜が咲き乱れる丘の上にあった。

 

新入学、新学期を祝うかのごとく、桜たちは競って咲きほこり、やがて咲き乱れる。

 

桜のトンネルをくぐり、桜の花びらの舞いを浴びながら通った時間、あの季節は輝きを増して鮮やかに蘇る。

 

今年もまた同じように桜は咲き乱れるのだろう。

 

自分が刻む“時”は輝きを変えるけれども。

 

リズムボックスに付いていけなくて

リズムボックスが仕事場にあった。

 

むかし、そういう仕事をしていた。

 

いま思い返すと、あれはローランドのリズムボックスだったかと思う。

 

waltzとかrockとかbossa novaとか。

 

sambaとかcha-chaとかboogie-woogieとかmamboとかrumbaとか。

 

そういうボタンがあって、スタートとストップスイッチだけが付いているシンプルなもの。

 

歌に自信があるお客さんはリズムボックスを使いたがるのだけど、たいていテンポが合わずに付いていけなくて。

 

鍵盤からアクロバティックに手を離し、

 

謎の5拍子とか7拍子を挟み込む。

 

それがわたしの仕事だった。

 

ドンチキツッタカ。

 

 

絶滅危惧種

雑木林や広大な造成地が広がるベッドタウンで育ったので、子どもの頃は昆虫採集の楽しみが尽きなかった。

 

図鑑でアタマに叩き込んだ昆虫の種類と名前。

 

どの虫も珍しいとは思えないほど自然があふれていた。

 

ある日、テレビで

 

「ゼツメツキグシュ、オオムラサキ

 

とニュースになっているの見て、初めて“絶滅危惧種”という言葉を覚えたし、実感が沸かなかった。

 

だって、オオムラサキはそこいらじゅうにいたんだもの。

 

数年のちにはオオムラサキを見かけることがなくなり、蝶が飛んでいる姿を見かけるだけでなんだかわくわく心が和むような、そんな珍しい光景になってしまったな。