Kommonうでわ

ひと粒ひと粒が愛おしい、ビーズの世界。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「インターネットの接続がありません」

初めてインターネットに触れたのは、Windows95が発売されたころだった。 そのころのインターネットはまだまだ特別なもので、職場でパソコンが普及し始めたものの、インターネット回線につながるのはカイシャでは総務部だけだった。 “ホームページ”なるものを…

ねぇ、ミモザ

ミモザという花のことは良く知らなかった。 けれど、なにか愛を伝える花らしい、というのはなんとなく気付いていた。 思いやり 友情 堅実 プラトニックな愛 愛情 豊かな感受性 優雅 エレガンス 真実の愛 神秘 秘密の恋 気まぐれな恋 秘やかな愛 ねぇ、ミモザ…

たてむすび、よこむすび

「こういうの、たてむすびって言うのよ」 わたしが小学生のとき、担任の先生は間違いを指摘した。 ちゃんと結べているのに、なんで間違いって言われるのかよくわからなかった。 わたしにとっての“ちゃんと”とは、紐がほどけないことだったが、先生は方向にも…

ポッケのどんぐり

野山のある公園とかに行ったらね、 ついドングリを探してしまうよね。 ドングリを見つけたら、 つい拾ってしまうよね。 ドングリを拾ったら、 ついポッケにドングリを入れちゃうよね。 ポッケのドングリ、 飾ることも、 食べることもないんだけど、 何年もお…

桜、咲き乱れる丘で

わたしにとっても桜は特別な花だ。 通った学校は桜が咲き乱れる丘の上にあった。 新入学、新学期を祝うかのごとく、桜たちは競って咲きほこり、やがて咲き乱れる。 桜のトンネルをくぐり、桜の花びらの舞いを浴びながら通った時間、あの季節は輝きを増して鮮…

リズムボックスに付いていけなくて

リズムボックスが仕事場にあった。 むかし、そういう仕事をしていた。 いま思い返すと、あれはローランドのリズムボックスだったかと思う。 waltzとかrockとかbossa novaとか。 sambaとかcha-chaとかboogie-woogieとかmamboとかrumbaとか。 そういうボタンが…

絶滅危惧種

雑木林や広大な造成地が広がるベッドタウンで育ったので、子どもの頃は昆虫採集の楽しみが尽きなかった。 図鑑でアタマに叩き込んだ昆虫の種類と名前。 どの虫も珍しいとは思えないほど自然があふれていた。 ある日、テレビで 「ゼツメツキグシュ、オオムラ…

迷う贅沢

「靴、買ってあげるよ」 誕生日を前に彼は言った。 一緒に選びに行ったお店で見つけた、お気に入りの靴。 だけど問題は、いくつか並んでいる靴の色が、どれもこれもとってもステキなことだった。 選びあぐねているわたしに彼は言った。 「両方買えばいいじゃ…

スティービーが消えた日

日本武道館からスティービー・ワンダーが消えた日 大好きだったスティービー・ワンダー。 来日公演のチケットが運良く手に入ったので、わくわくしながら武道館へ。 武道館の中央に仕立てられたステージを、かなり高いところから見下ろす。 コンサートはクラ…