等しく祝福を。
「Yちゃん、あのね……」
なんだかもじもじしながら彼女は切り出した。
彼女と知り合ったのは、彼女がまだ小学生、自分は大学生のころ。
歳の離れた妹のような存在だった。
長いときを経て再会したときには、彼女もすっかり大人に成長していた。
「あのね、カノジョできた」
彼氏と別れて久しいと聞いていたので、にわかにその言葉の意味を理解することができなかった。
「ん? カノジョ?」
「そう、カノジョ」
彼女の新しい恋人との馴れ初め、恋愛に関するあれこれは、なんらヘテロと違うものではなかった。
遠く離れたコイビトの元に行く行かないで親と揉めている、という点すらも。
LGBTを隠すでもなく、主張するでもなく。
自然体で生きていた彼女は、ほんとうにチャーミングだった。
その後、いくつかの別れと出会いを繰り返したと聞くけれど。
願わくば、等しく幸せを。
等しく祝福を。