Kommonうでわ

ひと粒ひと粒が愛おしい、ビーズの世界。

迷う贅沢

「靴、買ってあげるよ」

 

誕生日を前に彼は言った。

 

一緒に選びに行ったお店で見つけた、お気に入りの靴。

 

だけど問題は、いくつか並んでいる靴の色が、どれもこれもとってもステキなことだった。

 

選びあぐねているわたしに彼は言った。

 

「両方買えばいいじゃない」

 

2足の靴を手に入れることは、喜びが2倍になることなのかな。

 

彼のふところを痛めてしまう、そう思うと嬉しさが半分になっちゃうのかな。

 

あれこれ迷う贅沢。

 

欲しいもの全部手に入れることより、あれこれ迷う時間が贅沢なんだって気付かせてくれたよね。